あなたはどこからやって来たんだろう。
初めの種はどこからやってきたんだろう。
それはなんの力で芽を出すのだろう。
寂しいから仲間を増やそう、種を近くばら撒こう。
少し遠くに行きたいな、鳥さんにお願いしよう。
空からの喜びで育って行く僕達。
苦い経験で強くなって、虫なんかに食べられないぞ。
自分と違う姿をしたあの子は誰だ。と怖がる時もある、その芽を摘んでしまおうなんて事も。
大きく育つうちに、忘れてしまうのだろうか。
自分のやってきた場所を。自分が向かう場所を。
土の下では、皆が手を取り合っている事を。
僕らは同じ愛を受け取って、全ての経験を教訓に変える力を持っている。
酸素を世界に与えるように、それは世界に光を与える。
手を繋いでるのを確かめる為に、強くなろう。
少し掘り返された程度じゃ、死なないぞ。
それを確信した時、あの種はまたやってくる。
いや、あの種に帰っていくのかな。
終わり